イベントレポート
長野県災害時支援ネットワーク(N-NET)では、災害時における被災者支援の質を高めることを目的に、全7回の災害支援セミナーを開催しています。
第5回となる今回は、「トイレ」を切り口に、災害時の生活環境と人の尊厳について考える時間となりました。
災害時のトイレは、単なる設備の問題ではなく、健康・命・人権に直結する重要なテーマです。
「使えない」「行けない」「我慢する」ことが、体調悪化や災害関連死につながる現実を踏まえ、日常と非常時を分断しない備えの必要性が共有されました。

開催概要
- 日時:2025年11月26日(水)10:00~11:30
- 形式:オンライン開催(Zoom)
- テーマ:災害時のトイレ問題と対策
- 講師:加藤 篤(かとう あつし)氏
(特定非営利活動法人 日本トイレ研究所 代表理事)
※本セミナーは、講演アーカイブ動画および資料配布は行っていません。
セミナー内容の概要
セミナーでは、災害時にトイレが使えなくなることで生じる具体的な課題が紹介されました。
- 水や下水が使えないことによる不衛生な環境
- トイレを我慢することで水分摂取を控えてしまうこと
- 高齢者や障害のある方がトイレに行けず、生活の質が著しく低下すること
特に、視覚障害のある方や高齢者にとって、
「トイレが遠い」「暗い」「段差がある」
といった状況は、日常以上に大きな負担となることが共有されました。
日常と災害時を切り離さないという視点
今回のセミナーで強調されたのは、
「災害時のトイレは、日常生活の延長線上で考える必要がある」
という視点です。
災害が起きてから仮設トイレを設置するだけでは、
- 使い方がわからない
- 動線が悪い
- 清掃や管理体制が整わない
といった課題が生じます。
そのため、
- 日常的に利用しているトイレ
- 公共施設や民間施設のトイレ
- マンホールトイレなど地域にある既存資源
を平時から把握し、「使えるトイレ」を地域で共有しておくことの重要性が示されました。
トイレは命と人権に関わる
トイレの問題は、単なるインフラ整備ではなく、
命を守り、人としての尊厳を守るための支援です。
「我慢すれば何とかなる」という考え方を見直し、
誰もが安心して使える環境を整えることが、災害関連死を防ぐ第一歩であることが、参加者の間で共有されました。
今後に向けて
第5回のセミナーは、設備や制度だけでなく、
「災害時にも暮らしをどう守るか」を改めて考える機会となりました。
N-NETでは今後も、「つながる・学ぶ・備える」をキーワードに、
トイレを含む生活環境、要配慮者支援、官民連携のあり方について学びを深めていきます。
▼ ご感想のお願い
参加者の皆様にお願いです。
今後の勉強会運営の参考とさせていただくため、ぜひご感想をお寄せください。
感想フォーム:https://forms.gle/jo8N7Sz9sZ7tN9e38
