イベントレポート
長野県災害時支援ネットワーク(N-NET)では、災害時における被災者支援の質を高めることを目的に、全7回の災害支援セミナーを開催しています。
第4回となる今回は、「避難所」という“場”そのものに焦点を当て、災害関連死を防ぐための避難所環境のあり方について学ぶ機会としました。

開催概要
- 日時:10月22日(水)14:00~15:30
- 形式:オンライン開催
- テーマ:災害関連死を防ぐ避難所のあり方 ~イタリアから学ぶTKB48とは~
講師紹介
講師には、水谷嘉浩 氏
(Jパックス株式会社 代表取締役/避難所・避難生活学会 代表理事)をお迎えしました。
水谷氏は、これまで国内外25以上の被災地、500か所以上の避難所を調査・支援してきた第一人者であり、特に段ボールベッドの普及や、避難所環境の改善に長年取り組まれています。
セミナー内容の概要
今回のセミナーでは、「TKB(トイレ・キッチン・ベッド)」の視点から、避難所環境が被災者の健康や尊厳にどのような影響を及ぼすのかを、イタリアの実例をもとに学びました。
イタリアでは、
- 発災後 12〜48時間以内 に
- トイレ・シャワー、温かい食事を提供するキッチン、
- 冷暖房付きのテントとベッドを含む生活環境
を 「ユニット化」して展開 する仕組みが法制度として整えられています。
避難所では、被災者と支援者が同じ食事をとり、同じ空間で生活することが前提となっており、
「避難所で人が亡くなることはあり得ない」
という共通認識のもと、災害関連死を生まない環境づくりが徹底されています。
一方、日本では避難所運営が市町村主体であることから、
- 避難所ごとの環境格差
- 被災自治体職員自身が被災者でありながら運営を担う構造
- 標準化されていない資機材や運営体制
といった課題が浮き彫りになっていることが指摘されました。
印象的だったポイント
- 「避難所の質は命に直結する」という明確なメッセージ
- トイレ・食事・睡眠環境を一体として捉える「TKB48」の考え方
- 平時からの訓練と資機材整備に、国家予算規模で投資しているイタリアの姿勢
- 災害関連死ではなく「避難生活死」をいかに防ぐか、という視点の転換
参加者の声(一部抜粋)
- 「支援者も被災者も同じ生活をするという考え方に衝撃を受けました」
- 「避難所は“我慢する場所”ではなく、“生活を守る場所”だと感じました」
- 「日本の制度や訓練のあり方を見直す必要性を強く感じました」
アーカイブ・資料の共有について
講師のご厚意により、当日のアーカイブ動画および、聴覚障害のある方にも配慮した講演テキストを共有しています。
▼ アーカイブ動画(YouTube)
※字幕をONにしてご視聴ください(字幕は自動生成・未整文)
▼ 講演テキスト
※聴覚障害者向けに作成した書き起こし資料(一部編集あり)
N-NET災害支援セミナー第4回テキスト書き起こし
今後に向けて
N-NETでは、今後も官民連携による被災者支援体制の構築に向け、
避難所環境、ジェンダー、要配慮者支援、ペット防災など、さまざまなテーマで学びを深めていきます。
本セミナーが、
「災害時でも、人としての尊厳が守られる避難所とは何か」
を考えるきっかけとなれば幸いです。
▼ ご感想のお願い
今後の勉強会運営の参考とさせていただくため、ぜひご感想をお寄せください。
感想フォーム:https://forms.gle/jo8N7Sz9sZ7tN9e38
